国税庁「伝統的酒造り」に関するシンポジウムの開催(パリ)

日時: 2023年2月2日(木) 16時30分-19時

会場: パリ日本文化会館(地上階ホールと5階レセプション会場)

主催: 日本政府関係機関(国税庁、文化庁、酒類総合研究所)、日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会

現地運営: Euro Japan Crossing社

日本国政府は、2022年に日本酒、焼酎、泡盛等の日本の伝統的な酒造り技術をユネスコ無形文化遺産に提案しており、2024年にユネスコ事務局での審議が見込まれています。

これを機に、日本政府関係機関(国税庁、文化庁、酒類総合研究所)は、更なる日本酒等の認知度拡大を目指し、「伝統的酒造り~守りつなぐ日本の文化遺産」と題したシンポジウムとレセプションを、ユネスコ本部のあるパリの日本文化会館において開催しました。シンポジウムにはソムリエ等のワイン関係者のほかメディア・ジャーナリスト、そして26か国のユネスコ代表部メンバーにもご出席いただき、非常に盛況な会となりました。

第1部のシンポジウムでは、オープニング映像上映後、在フランス日本国特命全権大使・下川眞樹太氏から開会の挨拶に続き、独立行政法人酒類総合研究所 前理事長の後藤奈美氏による日本酒の造り方や日本文化と日本酒の関わり等についてのセミナーが行われました。

後半のパネルディスカッションでは、後藤氏に加え、ボルドー大学教授・ブドウ・ワイン科学研究所のパトリック・リュカ氏、仏・日本酒メーカー「昇涙酒造」グレゴワール ・ブッフ氏、農学エンジニア・ワインメーカ-・日本酒講師のゴティエ ・ルーシル氏にご登壇いただき、「日本酒とワインの製法や地域による多様性を探る」「日本酒造りの文化・歴史的価値観の解説」「日本酒と食文化」という3つのテーマについて議論が展開されました。

第2部レセプションでは、冒頭にユネスコ日本政府代表部特命全権大使の尾池厚之大使による挨拶に続き、鏡開きが執り行われました。鏡開きは、日本の古くからの儀式で、「運」を開くという意味があり、おめでたい席で行われます。その後、日本の伝統的な酒造り技術の保存・活用のための活動を行っている「日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会」小西新右衛門(しんうえもん)会長による乾杯のご発声と共に、ペアリング試飲会の開始となりました。試飲会では日本酒7銘柄と各銘柄の味わいにあわせたペアリングメニュー、焼酎2銘柄、泡盛1銘柄も提供され、お土産のお猪口を片手に飲み比べを楽しむ招待客で賑わいました。

会場では、日本酒にこれまで触れる機会の少なかった世界各国からのお客様、そして現地メディア関係者からも、「シンポジウムを通じて酒造りについての詳細でわかりやすい説明を聞けたことで、理解を深められてよかった」、また「実際にペアリングをしながら様々な銘柄を試飲したことにより、日本酒本来の風味をしっかりと味わうことができた」といった好意的な声が多く上がり、会は盛況のうちに幕を閉じました。

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